三鷹市の三鷹台駅近くにあるピアノ教室です。

3月11日(金)


　午後2時46分頃、東北地方三陸沖でマグニチュード9.0の

大地震が起きました。　この日、私は銀座のヤマハへ楽譜や書籍を

探しに出かけていて、地震時は、仕事を抜けて来てくれた母と

食事をし、ちょうど店を出ようとしていたところでした。

先に揺れに気づいたのは母でしたが、すぐに揺れが大きくなり、

あわててテーブルの下に隠れました。すさまじい揺れ方でしたね～。

足下にはテーブルの上にあったグラスや店の装飾品が落ちてきて

割れましたが、幸いこの日はパンツにひも靴で出かけていて、

けがはありませんでした。　長い揺れがおさまったと同時に、

レジに昼食代金を置いて(食い逃げした人もいましたが…)

階段を駆け下りました。　小さなビルの7階にいたので必死でした。

しかし、地上に降りたものの、必ずやってくるであろう余震に備え、

一体どこへ避難したら良いのか？動揺していました。

どこかに公園がないか？と銀座中央通りを歩きましたが、

あるはずもなく、冷静になった母が「新しく建築されたビルに入ろう」

と言い、再びヤマハの店内へ。　3階で書籍を見ていると、

大きな余震がやってきたので、従業員の誘導で地上へ降りることと

なりました。 頭上から看板やガラスが落ちてくるかもしれないので、

屋根のある場所で30分以上は待機していたと思います。

その後、ヤマハが営業を再開することとなったため、

再度店内で買い物を済ませた後、電車に乗って帰宅しようとすると、

電車は全線不通となっていました。　運転再開のめどはまったく

ないとのこと…。　帰宅困難者となってしまいました。

幼稚園にいる娘のことも気になりましたが、電話はなかなか通じず、

意外にも一番早く電話の通じた相手は、山形蔵王温泉にいた弟

でした。　よりによってこんな日に山形にいるなんて…

と心配しましたが、電話口の当人はいたって冷静。

「こっちは今また激しく揺れてるから、直にそっちも揺れるよ」

などと言っていました。 停電で暖房器具が使えないので、

布団をかぶって寝てるしかないようでした。

一方、私と母ははやばやと長期戦の構えに入り、三越の店内で

電車の運転再開を待つことにしました。

やっと電話がつながった幼稚園とも話ができて、

娘は幼稚園に泊めてもらうことになったので、

私達は三越で夜を明かす覚悟もできていました。

幸い店内では夕食を買うこともでき（売り切れぎりぎりでしたが）

温かく、水やホットコーヒーの無料サービスまで受けることが

できました。

もはや公共施設と化していて、本当にありがたかったです。

家族全員の安否が確認できて安心した頃、銀座線が動き出した

とのアナウンスがあり、私達は店を出ることにしました。

意外にも大半の人は三越に残っているようでしたが、

おそらく他の電車がほとんど動いていない状況だったからでしょう。

私達も渋谷駅から先がどうなるか不安はありましたが、

井の頭線が動かなくても渋谷からなら実家まで歩く覚悟で

銀座線に乗り込みました。　混雑はそれほどでもなく、順調に渋谷駅へ

辿り着くことができました。　しかし、いまだ井の頭線は動かず、

試運転中とのこと。　改札の前から長蛇の列が出来ていました。

すきま風が吹くなか、30分以上は待ったでしょうか？

母が「もう歩いて帰ろうか」と言った矢先、運転再開となりました。

皆、拍手して喜んでいました～。

結局帰宅したのは１１時過ぎでしたが、歩いて帰宅した人達が

4～6時間かかったという話を聞くと、案外早く帰宅できた方だったな

と思いました。　地震時に一人で銀座にいなくて本当に良かったです。

１時過ぎには主人もなんとか帰宅し、翌朝、娘を迎えに行き、

家族の無事を喜びました。

長い1日でした。

地震時、山形蔵王温泉にいた弟は、翌日、旅館が手配してくれた

バスで8時間かけて帰宅したようです。