三鷹市の三鷹台駅近くにあるピアノ教室です。

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指導方針

当ピアノ教室では「生徒一人一人の良いところを伸ばす」「ほめて育てる」をモットーにレッスンしていきます。
一生音楽を楽しめるようになりたい、聴き手の心に響くピアノ演奏をできるようになりたい、という生徒さんの
ご希望に添えるよう、本格的な内容を優しくご指導いたします。

人はピアノという楽器を通し「音」で歌い、語りかけるといった自己表現ができるようになると、
「ピアノを弾くことが楽しい!」と感じられるようになるのではないでしょうか。
演奏者自身にとって、そして聴いている人にとって「良い演奏」とはどのようにして作られるのかを、
ピアニスト故・井上直幸氏の著書を参考にまとめてみたいと思います。



良い演奏とは

「音を出す前にまずイメージ、構想を持つこと。そして音を出してみる→聴くという作業を繰り返す。それが日々の練習だ。」とは、ウィーン音大のアヴォ先生が常におっしゃっている言葉です。

想像力を豊かにするには、良い耳をもつことが第一ですが、音に対するイメージの引き出しを多くもつことが大切です。そのためには、日常生活を豊かに過ごすこと、とりわけピアノ以外の楽器の音色を知ることが必要だと思います。CDを聴く、演奏会で生の演奏を聴くなどの経験を大切にしたいものです。

また、当ピアノ教室では、生徒に私のアイデアを示しイメージの引き出しを増やしてあげるようにしています。私自身、子供の頃師事していた先生の例え話がおもしろくて、ピアノがさらに好きになった記憶があります。

「良い演奏」に必要な要素


色彩豊かな演奏をするために欠かせないのは「ハーモニー感」です。
和音を聴いたときに、これは何色だろう?ここはどんな気持ちだろう?と想像する=感じる感覚を身に付けたいですね。井上氏はいろいろな和音を弾いて遊んでみると良いと言っています。

そして、楽譜にかかれている音符を「生きた音楽」にするにはまず「フレーズを作る」という作業が不可欠です。「フレーズ」とはある地点に向かって緊張感を増し、再び緩むものです。これを無視して棒弾きしてしまったり、フレーズの終わりが強くなってしまったりすると、演奏が台無しです。当ピアノ教室では、ゆっくりでも音を並べられるようになったという段階から「フレーズ作り」を始めます。

生き生きとした音楽を作り出す「リズム感」は天性の能力をもっている方もいますが、たいていはちょっとしたコツで良くなることが多いと思います。「いつも隣で先生が指揮してくれればいいのに」と言われるのは嬉しいやら悲しいやら複雑な気持ちになりますが、レッスン時に体感した感覚をいつか自分のものにしてくれると良いです。

最後に「構成力」についてお話します。文字通り作品を構成する力ということになります。作品は多くの場合、「物語」なのだと思います。物語のクライマックスはどこにあるのか、クライマックスに向けてどんなストーリーが繰り広げられるのか?作品のおおまかな作りを把握した上で、どんなストーリーを展開するのかを頭の中に描かなければなりません。

表現のためのテクニック

ここまで、「良い演奏」のために必要な要素について述べてきましたが、これからはその表現のための「手段」について書きたいと思います。

ピアノは鍵盤を手の指で押すことによって音を出す仕組みになっています。つまりこの「押す」という行為にちょっとした変化を与えることによって、さまざまな音色を弾き分けることができるのです。鍵盤を押すことを「打鍵」と言いますが、「打鍵」の速度や方向、圧力の加え方を自由に操るためには、指、手、腕、上半身、全身をうまく使えなければなりません。

奏法には大きく分けて二つの方法があり、「指の奏法」と「重力奏法」と呼ばれています。
「指の奏法」には指の第1関節から先を使います。主に初期古典派時代までの作品を演奏する際はこの奏法を使用します。モーツァルトの細かいパッセージを弾く際には、指だけで弾けないと重くバタバタとした演奏になってしまいます。細かいアーティキュレーションを実現するのにもこの奏法なしでは無理な話です。
もう一つの「重力奏法」は腕や上半身の重みを指に伝え、その重みで、あるいは重みの移動によって演奏していくもので、ロマン派以降の曲を演奏する時に必要となります。

指の奏法と重力奏法


次に「タッチ」についてお話したいと思います。
「音のつながり方」にはいろいろな種類があると言うとわかりやすいでしょうか。楽譜に記載されているレガート、モルト・レガート、ノン・レガート、テヌート、ポルタート、スタッカート、スタッカティッシモ、マルカート等です。これらのタッチについては、楽譜に文字で書かれている場合と、それぞれの記譜法で書かれている場合があり、後者の場合、それを読み取る力が必要になります。

さきほどの「打鍵」の話の中でも触れましたが、「タッチ」の方向を変えることによって音色を弾き分けることができます。指を鍵盤に垂直に落とすのか、斜め前に押し込むのか、手前に引っ張るのか、あるいはひっかくのか等です。

指だけでなく腕の使い方によっても音色は変えられます。ピアノを弾く際、よく私は「ドアノブを回すように」と言っていますが、最近は丸いドアノブが少なくて困ります。前腕を左右に振る動きです。この動きを加えることにより、パッセージが弾きやすくなったり、躍動感が生まれたりします。他にも、手首を突き上げることにより鋭い音を出したり、腕を左右に振る動きを加えて回転しているかのような音色にしたりします。

タッチの種類

これらの奏法を使って欲しい音色を手にするためには、なにより正しい手の形を保ち、圧力をかけてもつぶれない指の関節、手首の柔軟性が必要です。特に関節がやわらかい子供に指のことを言い続けるのは大変ですが、悪い癖がついてしまうと直すのはさらに大変なので、初めから良い奏法のための準備をしていきたいと考えています。