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ウィーン滞在記③

2014年4月8日 火曜日
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③ウィーン楽友協会資料室


 ウィーン楽友協会資料室室長のオットー・ビーバ先生の

レクチャーを受けてきました。エレベーターで上の階へ向かい、

一般人は立ち入りできない場所へ。 今回、私が10年ぶりに参加

したウィーン・メロス音楽セミナーは開講して15年ほどになりますが、

こちらでレクチャーを開くのは2度目とのことでした。 その記念すべき

2度目に遭遇することができたのは幸運でした。

 ビーバ先生が私達に見せてくださったのは、なんと!モーツァルト、

ベートーヴェン、シューベルト、シューマン、ブラームスの自筆譜です。

白い手袋をはめ、箱からうやうやしく出されるものの、

ガラスケース越しではなく、目の前にあるのはまさに本物!

先生は、モーツァルトから順番に譜面を見ながら、

作曲家それぞれの作曲のプロセスを説明してくださいました。

 中でもおもしろかったのは、シューベルトの譜面です。

彼の死後、友人達が自筆譜を少しでも欲しいと言い、

なんと!譜面を切り刻んで1片ずつ分け合ったといいます。

そのばらばらになった譜面のかけらを、楽友協会では、

これまで地道に収集してきたとか・・・。一番最近見つかった1片は、

オークションにかけられたそうですが、かなりの高値をふっかけられ、

それでもやむなく、ビーバ先生の前任者の方が競り落としたそうです。

楽譜を読む上で大事なのは、残すところあと1片だそうで、

先生は今も、その1片を手にした人が楽友協会を訪れてくれることを

願っているそうです。 まったく気の遠くなるようなお話でした。

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